光の速さで

光を追い越したなら、そういう乗り物があったなら、人間は時を越えられるらしい。
光の速さで移動したならば、そういう乗り物があったなら、見送る人の声も手を振る姿も、直ぐに聞こえなくなるし見えなくなるだろう。時間は光の速さとほぼ同義で…やっぱり時間は残酷で、そういう温もりも淋しさも全て忘れさすみたいで。

超新星爆発の後にブラックホールが出来るのだという。それは、光さえもそこに閉じ込めてしまうそうな。だからこの掌や四畳半は、君と言う光を閉じ込めてしまうブラックホールなのかもしれない。
夢破れし後の絶望の世界、そこはひどく一人よがりで、孤独で、ぬくもりさえ存在しないのだ。